趣味の統計

心理統計のはなし(偏差への偏愛ともいう)。Web上に散らばっている「アンケート」へのつっこみ。その他。

正規分布の再生性2

アニメーションによる統計学

今回は第3章の2「確率変数の期待値と分散」に示されている、正規分布の加法性のシミュレーションの後半です。同じパラメータの正規分布に従う、相互に独立な確率変数の平均も、正規分布に従います。このとき、分散がn分の1になる、という点が重要です。多くの人に調査をして平均値をとると、その平均値は母平均に近い値になっている確率がぐっと高くなることの理論的な背景になる理論だからです。
シミュレーションが実行できるサイトはこちらです。
file:///C:/Users/Motofumi%20Kozakai/Desktop/p5.js/z2-dist/reproduct03.html

シミュレーション

シミュレーションでは、指定された平均と標準偏差をもつ正規分布にしたがう確率変数を4つ用意し、それぞれ乱数を発生させ、プロットします。そして、それらの平均を計算して、それもプロットしていきます。
最後にヒストグラムを表示します。変数4つの平均なので、理論上は、分散は4分の1、標準偏差は2分の1になります。
こんな感じの結果になります。

上の4本のヘアラインプロットは、平均0,標準偏差3の正規分布にしたがう乱数です。ヒストグラムを見ると、ほぼ指定通りの分布になっています。
下のヘアラインプロットは、4つの確率変数の平均です。上の4本と比べると、中央付近の色が濃くなっていて、平均値あたりにより密集していること、絶対値が5を超えるあたりにはほとんどラインが見られず、分散が小さくなっていることが視覚的にもわかります。